
受動態(passive voice)の問題は、「主語が何をするか」ではなく「主語が何をされるか」という視点の転換を求める。この切り替えに迷いがなくなれば、選択肢の「be動詞 + 過去分詞」の組み合わせを機械的に選べるようになる。比較・最上級の形でも受動態と紛らわしい問題が出るため、Part5比較・最上級のひっかけもあわせて確認しておくとよい。
Scordia収録Part5 grammar問題510問のうち、passive-voiceタグがついた問題は31問(6.1%)だ。verb-form(37問)に次ぐ頻出カテゴリで、単独で出題されるだけでなく、時制問題と組み合わせて出題されることも多い。
出典: Scordia収録Part5 grammar問題510問のタグ別集計より(2026年6月時点)。passive-voiceタグは31問、全体の6.1%。
受動態の基本構造 — be動詞と時制の組み合わせ
受動態の形は「be動詞 + 過去分詞」だが、時制によってbe動詞の形が変わる。Part5で出題される受動態の形を整理する。
| 時制 | 受動態の形 | 例文 |
|---|---|---|
| 現在形 | is / are + 過去分詞 | The report is reviewed monthly. |
| 過去形 | was / were + 過去分詞 | The event was canceled due to weather. |
| 未来形 | will be + 過去分詞 | The invoice will be sent tomorrow. |
| 現在完了 | has / have been + 過去分詞 | The budget has been approved. |
| 進行形(受動) | is / are being + 過去分詞 | The system is being updated. |
能動態 vs 受動態 — 主語が動作主か受け手かを見る
受動態を選ぶかどうかの判断は「主語が動作の受け手かどうか」だ。以下の判断手順が有効だ。
-
主語を特定する
文の主語が「何かをする側」か「何かをされる側」かを考える。例えば "The proposal" は人が提出するものなので、動作の受け手(submit される側)だ。よって受動態 "The proposal was submitted" を選ぶ。 -
目的語の有無を確認する
能動態なら動詞の後ろに目的語(名詞)が続く。受動態なら動詞の後ろに目的語は来ない(by句が来る場合はある)。選択肢を選んだ後、文全体の構造が成り立つかを確認する。 -
by句があれば受動態が確定する
"by the manager" "by the committee" などのby句が文中にあれば、空欄は必ず受動態の形になる。
例題
All employees ______ to complete the safety training before the end of the month.
- require
- requiring
- are required
- requirement
解答・解説を見る
正解: (C) are required
主語 All employees は「求められる側」なので受動態を選ぶ。"be required to do(〜することが求められる)" はby句を省略する頻出フレーズだ。能動態の (A) require では「従業員が(何かを)要求する」となり文意が成立しない。(D) requirement は名詞のため動詞位置に入らない。
by句が省略される受動態フレーズ
TOEICのビジネス文書では、動作主(by誰)を省略した受動態フレーズが頻出する。以下のフレーズは受動態の形を固定で覚えてしまう方が速い。
Part5頻出の受動態フレーズ一覧(展開して確認)
義務・要求系:
be required to(〜することが求められる)/ be expected to(〜することが期待される)/ be asked to(〜するよう依頼される)
割り当て・指定系:
be assigned to(〜に割り当てられる)/ be designated as(〜として指定される)/ be appointed as(〜として任命される)
通知・情報系:
be notified of(〜について通知される)/ be informed of(〜について知らされる)/ be advised to(〜するよう助言される)
予定・スケジュール系:
be scheduled for(〜の予定が組まれる)/ be planned for(〜のために計画される)/ be set for(〜に設定される)
受動態問題のひっかけパターン
Scordia収録の31問で繰り返し登場するひっかけは2つだ。
1. 現在完了能動態 vs 現在完了受動態の混同
"has reviewed"(能動:レビューした)と "has been reviewed"(受動:レビューされた)は形が似ており、主語が動作主か受け手かを確認しないと誤答する。主語が "The document" なら受け手なので "has been reviewed" を選ぶ。
2. 過去形と過去分詞の同形動詞
"informed" は過去形(She informed us.)にも過去分詞(She was informed.)にも使われる。選択肢に "informed" と "was informed" が並んでいる場合、文の主語が人称代名詞なら特に混同しやすい。前に "was / were" があるかどうかを確認する。
例題
The quarterly report ______ by the finance department and is now available online.
- has reviewed
- has been reviewed
- reviews
- is reviewing
解答・解説を見る
正解: (B) has been reviewed
現在完了能動 vs 受動の典型ひっかけ。主語 The quarterly report は「レビューされる側」かつ by句(by the finance department)があるので受動態。現在完了受動「has been + 過去分詞」の (B) が正解。(A) has reviewed は能動態で「報告書がレビューした」となり不可。(C)(D) は時制・態が合わない。
受動態は「主語 → 動作主か受け手か → be動詞の時制 → by句の有無」という確認順序を習慣化することで、正答率が安定する。Part6の文章挿入問題でも受動態の時制判断が問われるため、Part6文章挿入問題の解法で受動態と時制の応用を確認しておくとよい。
受動態・verb-form を含むPart5文法の全カテゴリとリーディングセクション全体の攻略は、TOEICリーディング完全攻略ガイドでまとめています。
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Scordia編集部のコメント
受動態問題で繰り返し見られる誤答パターンとして「be being + 過去分詞」の進行受動態を知らないまま試験に臨んでいるケースがある。"The system is being updated" のように進行形受動態が正答になる問題は頻度こそ低いが、選択肢に並んだとき「見たことがない形」として誤答へ逃げる学習者が多い。本記事のフレーズ一覧と合わせてこの形も確認しておくことを勧める。
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