
文法
Part5 比較級・最上級の落とし穴3つ|the の有無を見切る
TOEIC Part5で比較表現が問われる問題は、一見すると「-er か -est か」だけを選ぶ単純な問題に見える。しかし実際には、the の有無・比較対象の論理的整合性・as...as 構文における語順の3つの軸で誤答が仕込まれている。語尾を暗記するだけでは得点できないパターンが存在する。
Scordiaの集計より: 収録Part5 grammar問題のうち比較表現を問う問題は全体の約6%を占め、正答率は平均67%と文法問題の中で低め(編集部集計、2026年5月時点)。特に「比較対象の論理」を問う問題の正答率は58%にとどまる。
落とし穴1 — the + 最上級の「the を省略するケース」
最上級には原則として the を付ける。これは多くの学習者が知っている。しかし TOEIC では the を付けてはいけないケースが選択肢に紛れ込む。
| ケース | 例文 | the の扱い |
|---|---|---|
| 通常の最上級(名詞を修飾) | This is the most efficient method we have tested. | the 必須 |
| 副詞の最上級(動詞を修飾) | Our Tokyo branch responded most quickly to the inquiry. | the を省略することが多い |
| 所有格・指示形容詞と共存する場合 | This is our best offer. / This is her highest achievement. | 所有格があれば the 不要 |
選択肢に「the most quickly」と「most quickly」が並んでいる場合、空欄が副詞位置(動詞を修飾)であれば the を省く形が自然だ。「the は常に最上級の前につける」という思い込みがこのパターンで誤答を引き起こす。
落とし穴2 — 比較対象の論理的整合性(比較の対象が揃っているか)
英語の比較表現は、比較する2つの対象が「同じ種類のもの」でなければならない。TOEIC では、比較対象が揃っていない文が選択肢に現れる。
比較対象の不一致パターン(よくある誤答)
誤りの例:
The productivity of our sales team is higher than the marketing department.
→ 「productivity(生産性)」と「the marketing department(部署)」を比べている。種類が一致しない。
正しい形:
The productivity of our sales team is higher than that of the marketing department.
→ that = productivity の代名詞。「生産性」と「生産性」を比べている。
複数形の場合:
Our test results are more reliable than those of the previous study.
→ those = results の代名詞。
that of / those of の使用は比較文の頻出ポイントだ。空欄が「比較対象の名詞句の先頭」に位置している場合、that of / those of が選択肢に入っていれば最優先で検討する。
落とし穴3 — as...as 構文の語順と形容詞の位置
as...as 構文では、形容詞・副詞は最初の as の直後に置く。この語順を誤って覚えていると、Part5の穴埋めで誤答を選ぶ。
- 正: The new system is as reliable as the old one.
- 誤: The new system is as reliable than the old one. → as...as の後半を than にしてはいけない。
- 誤: The new system is so reliable as the old one. → so...as は否定文(not so...as)でのみ使う形。
否定文では not as...as と not so...as の両形が使える。しかし肯定文では as...as のみが標準的な形だ。選択肢に「so」が含まれている場合は、文が否定形かどうかを先に確認する。
比較表現の問題を30秒で解く手順
- 空欄の位置を確認する — 名詞の前なら形容詞(最上級は the 必須)、動詞の後なら副詞(最上級は the 省略可)。
- 比較対象を両側で確認する — 主語側と than/as...as の後の名詞が「同じ種類か」を確認。ずれていれば that of / those of が必要。
- as...as か than かを確認する — as...as ならその間に形容詞原級、than なら比較級(-er / more + 原級)が入る。
- 所有格・指示形容詞が前にあれば the を外す — our / their / this 等があれば最上級でも the は不要。
比較表現は Part5 文法問題の中でも「知識の抜け」が出やすい分野だ。ScordiaのPart5演習では比較表現カテゴリに絞った練習が可能で、上記の3パターンをまとめて確認できる。文法分布全体を俯瞰したい場合はPart5文法分布の記事も参照してほしい。なお、比較表現で使われる語彙(efficient/reliable/substantial など)は中級語彙一覧でも確認できる。
あわせて読みたい関連記事
- Scordia収録Part5文法問題の出題分布分析 — 比較表現が全体の6%を占める位置づけを含め、優先順位が高いカテゴリを一覧で確認できる。
- Part5 主語と動詞の一致問題対策 — 比較文の that of 構文で主語が変わる際の動詞一致にも応用できる。
- Part5 動詞形(時制・態・不定詞)の選び方 — 比較構文と組み合わせて出る動詞形問題を体系的に習得できる。
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