
Part3とPart4はどちらも「音声を聴いて3問答える」形式だが、聴き方は根本的に異なる。Part3は複数の話者が情報を分けて話す会話形式、Part4は1人の話者が全情報を提供する独白形式だ。この違いを把握せずに同じ意識で臨むと、Part3では「誰が何を言ったか」が混乱し、Part4では「冒頭の場面設定を逃す」失敗が起きやすい。IIBC公式データでは、Part3が13セット×3問=39問、Part4が10セット×3問=30問の計69問で、リスニングセクション100問の約7割を占める(出典: IIBC公式「テスト形式」)。

Part3とPart4:形式の比較
| 項目 | Part3(会話問題) | Part4(説明文問題) |
|---|---|---|
| 話者の人数 | 2〜3名(男女) | 1名 |
| 形式 | 対話(会話のやりとり) | モノローグ(独白) |
| 本番の設問数 | 39問(13セット) | 30問(10セット) |
| 1セットの設問数 | 3問 | 3問 |
| Scordia収録問題数 | 100問超 | 205問超 |
| 典型的な場面 | 社内会話・電話・打ち合わせ | アナウンス・留守電・会議・ニュース |
| 情報の分散 | 複数話者が交互に提供 | 1人が一方向に提供 |
Scordia収録ではPart3が100問超、Part4が205問超となっている(Scordia収録問題集計より)。本番問題数に対してそれぞれ2.5倍・6.8倍超の練習量が確保されており、先読み手順を繰り返すには十分な量だ。
Part3(会話):誰の発言に集中するかを先読みで決める
会話形式のPart3では、複数の話者が情報を交互に出してくる。失点のパターンはほぼ「誰の発言の・誰への依頼か」を取り違えることだ。
- 話者の立場を冒頭で把握する — "Who are the speakers?" という設問は最初の数発言でほぼ決まる。"May I help you?" ならば顧客対応場面と分かる。
- 問題点・提案・合意の3軸を追う — Part3の会話は「問題がある → 解決策を提案する → 合意する」という流れが多い。3つの設問もこの流れに沿って出ることが多い。
- 3人の会話は設問の主語を確認してから聴く — 3名の会話では発言が交互に入り、情報が分散する。先読みで "What does the woman ask the man to do?" のように設問の主語(the man / the woman)を確認してから聴くことで、集中すべき話者が絞り込まれる。

例題(Part3 会話・話者の依頼を問う設問)
会話(一部):
Woman: The projector in Conference Room B is not working again.
Man: I will report it to the IT department right away. Could you book Room C for this afternoon instead?
設問: What does the man ask the woman to do?
- Repair the projector herself
- Reserve another room
- Contact the IT department
- Cancel the afternoon meeting
解答・解説を見る
正解: (B) Reserve another room
設問は「男性が女性に何を依頼したか」。男性の Could you book Room C ...?(C室を予約してくれますか)を言い換えた (B) が正解。(C) IT部門への連絡は男性自身がする行動なので女性への依頼ではない。先読みで設問の主語(the man)と動詞(ask)を確認した状態で聴けば、この一文が解答として確定する。
Part4(独白):冒頭の場面設定が全ての鍵
1人の話者が話し続けるPart4では、情報の流れが一方向になる。会話のように別の話者が補足してくれることはなく、聞き逃したら取り戻せない。
- 冒頭の場面設定を逃さない — 話者タイプ(アナウンス・留守電など)は冒頭数秒で分かる。この部分を聞き逃すと文脈が掴めなくなる。Scordia収録205問超ではannouncement(約30%)が最多で、次にvoicemail(約22%)が続く(Scordia収録問題集計より)。
- 数字・固有名詞・期限を拾う — Part4の設問は「いつ・どこで・何を・いくらで」のような具体情報を問うことが多い。聴きながら手元に軽くメモする習慣が有効だ。
- 話者タイプ別の構成を知っておく — voicemailは「名乗る → 目的を伝える → 依頼して締める」という一定の構成がある。announcementは「何が起きたか → 聴衆に何をさせたいか」の2点が設問に直結する。

先読みの手順:Part3・Part4で共通する3ステップ
両パートを通じて最も得点効率が高い解法は、音声前に設問を読む先読みだ。3問分を把握した状態で聴くと、答えが出てきたタイミングで確定できる。
- 設問のキーワードを特定する — "What does the man suggest?" であれば「提案」が聴くポイント。"Where will the event be held?" であれば「場所」に集中する。
- 選択肢のキーワードを視認する — 全文を読まなくてよい。名詞・動詞を素早くスキャンして、どんな情報が問われるかを把握する。
- 1セット3問を先読みしてから音声を聴く — 1問解いてから次を読む順番では音声に追いつけなくなる。3問分を事前に把握した状態で聴くことが大前提だ。
先読みの時間をどうやって作るか
前のセットの解答をマークしたら即座に次のセットの設問を読み始めることで先読み時間が確保できる。Part1・Part2のうちに余裕を感じている場合は、その時間を使ってPart3の最初のセットを先読みしておくことも有効だ。先読みの習熟を体系的に進める練習法はPart3・4先読みスキルの習得ガイドにまとめている。

聞き逃したときの対処:引きずらない判断
Part3は会話なので、一方の話者の発言を聞き逃しても、もう一方の応答から文脈が補えることがある。Part4は独白のため、聞き逃しをカバーする別の話者がいない。どちらのパートでも、1問に詰まった瞬間に次の設問の先読みに切り替えることが得点を守る上で合理的な判断だ。
Part3の100問超とPart4の205問超は、先読みの習熟度がそのまま正答率に直結するパートだ。ScordiaのPart3リスニング問題とPart4リスニング問題で先読み手順を繰り返すことで、本番で自然にできるようになる。
先読みスキルをPart1〜Part4で体系的に養う方法は、TOEICリスニング完全攻略ガイドでパート別に整理している。Part3・4の会話パターン分類・説明文タイプ別解法・スコア帯別練習法の全体像はTOEIC Part3+4完全攻略ガイドを参照してほしい。
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