
TOEICリーディング75分の時間配分|Part別の目安と時間切れ対策
リーディング100問・75分。単純計算では1問あたり45秒だが、この数字に従ってペース配分すると必ず時間切れになる。Part5の品詞問題は20秒で処理できる一方、Part7のトリプルパッセージは1セット10〜12分かかることもある。75分を「1問45秒×100問」ではなく「パート別に時間枠を割り当てる」という発想に切り替えることが、リーディングセクション攻略の出発点だ(出典: IIBC公式「テスト形式」—リーディング75分・100問)。

パート別の時間配分と根拠
600〜800点台を目指す受験者に推奨される配分は以下の通りだ。
| パート | 問題数 | 目安時間 | 1問あたりの目安 |
|---|---|---|---|
| Part5(短文穴埋め) | 30問 | 10分以内 | 20〜25秒 |
| Part6(長文穴埋め) | 16問 | 10分 | 約37秒 |
| Part7(読解) | 54問 | 55分 | 約1分(セット管理) |
Part5の目安は「10分以内」だ。1問20〜25秒という速度は、品詞問題・コロケーション問題の多くが選択肢の語尾や文構造で即判断できるため、実現可能な数字だ。ただし迷い始めると簡単に1〜2分を失う。「30秒を超えたら迷わずマークして次へ」というルールを試験前に決めておくことが、このペースを守る実用的な方法になる。
Part6は文脈を把握してから穴埋めするため、Part5より処理時間が長くなる。16問を10分に収めるには、1文書4問のセットを2〜3分で処理する意識が必要だ。文挿入問題(文選択)は前後の文脈との整合性を確認する時間が必要なため、難問なら30〜40秒ではなく最大1分まで割り当ててよい。
Part7の55分は、シングル・ダブル・トリプルの3形式を含む。「1問1分」という計算は機械的すぎる。シングルパッセージは1セット(設問2〜4問)を4〜6分、ダブル・トリプルは1セット5〜12分という「セット単位の時間管理」の方が実戦的だ。
Part7内部の配分 — シングルとマルチプルで分ける
Part7に55分確保できたとして、その内部をさらに2つに割る必要がある。シングルパッセージ(Q147〜175)は1文書に2〜5問で計29問、マルチプルパッセージ(Q176〜200)は2〜3文書セットに5問ずつで計25問だ。マルチプルパッセージは文書量が多く、複数文書を照合するクロスリファレンス問題が含まれるため、1問あたりの処理時間がシングルより平均1.3〜1.5倍かかる。
| セクション | 問題数 | 目標時間 | チェックポイント |
|---|---|---|---|
| シングルパッセージ(Q147〜175) | 29問 | 30〜32分 | Q175終了時に残り22分以上 |
| マルチプルパッセージ(Q176〜200) | 25問 | 23〜25分 | — |
Q175が終わった時点で時計を確認することをルーティン化する。残り22分以上なら計画どおり。18分を切っている場合は、次に説明するスキップ判断を即座に切り替える。残り時間が少ない状況で全問均等に処理しようとすると、最後まで届かない。「NOT問題(〜でないものを選べ)」「文挿入・整序問題」「推測問題(Implied / Suggested)」の3タイプは処理時間が長くなりやすいため、時間が少ない場合は先に印をつけて後回しにする。逆に本文に答えが明示される「詳細問題(Detail questions)」は本文の語句がほぼそのまま選択肢に現れるため最優先で処理し、残り時間が少ないほどこの型だけを拾い集める戦略が得点効率を上げる。
例題(詳細問題 vs NOT問題の処理時間の差)
(メール本文の要点)The conference will be held on March 12 at the Riverside Hall. Registration closes on March 5, and a confirmation e-mail will be sent within two business days.
設問: What is indicated about the registration?
- It must be completed by March 5.
- It requires a fee paid in advance.
- It can be done at the venue on March 12.
- It is limited to returning members.
解答・解説を見る
正解: (A) It must be completed by March 5.
本文に "Registration closes on March 5" と明示されているため、該当箇所を見つければ即答できる詳細問題だ。同じ文書で「本文に書かれていないものはどれか(NOT問題)」が出た場合は4選択肢すべてを照合する必要があり、同じ1問でも2〜3倍の時間がかかる。

Part5で時間を溶かす3つのパターン
Part5の10分オーバーは、ほぼ決まったパターンから来る。
- 品詞問題を意味から解こうとする — 語尾(-ly/-ment/-tion)と文中の位置で瞬時に判断できる問題に1分使う。文の骨格(S+V+O)だけ見れば空所の品詞は確定する。
- 語彙問題で知らない単語に止まる — 4択のうち3つを消去できた時点でマーク。知らない単語を「思い出そうとする」時間は無駄だ。
- 前置詞・接続詞問題を両方で迷う — 後ろが名詞節か句かで区別できる。「節なら接続詞・句なら前置詞」の一点で解決できる問題を文全体で読み返している。
例題(Part5 品詞問題・20秒以内で処理)
The marketing manager reviewed the proposal ______ before the board meeting.
- care
- careful
- carefully
- careless
解答・解説を見る
正解: (C) carefully
空所は動詞 reviewed を修飾する位置。動詞を修飾するのは副詞なので (C) carefully が正解。語尾 -ly の副詞を一瞬で特定できる問題だ。(A) care は名詞/動詞、(B) careful・(D) careless は形容詞。文の意味を全部読まなくても、「V の後ろ + before〜」という骨格を見た瞬間に副詞と確定できる。
Part6の「文挿入問題」だけ別扱いする理由
Part6には通常の穴埋め(語彙・文法)と、文を選んで挿入する設問(文選択)の2種類がある。語彙・文法の穴埋めはPart5と同じ要領で処理できるが、文選択は前後の文脈を2〜3文読んで整合性を確認する必要があり、処理時間が1問あたり40〜60秒かかることがある。
1文書4問のうち文選択問題は通常1問だ。この1問のために1文書のペースを乱さないよう、「文選択は後回しにして3問先に解く」作戦も有効だ。文選択の解き方はPart5完全攻略ガイドのコロケーション解法と合わせて体系的に把握しておくと、Part6全体のペースが安定する。
「リーディング全問解き切る必要があるか」という問いへの答え
900点以上を狙う受験者以外は、全問解き切ることは前提にしない方がよい。600〜800点台の場合、Part5・Part6を確実に処理して正答率を上げ、Part7はシングルパッセージから取り組んでダブル・トリプルは時間が許す分だけ深く解く戦略でも目標スコアに届く。
TOEICは誤答減点がない。未回答よりも同じ選択肢でまとめてマークする方が期待得点は高い。残り2〜3分で10問以上が未解答なら、全部同じ選択肢でマークしてから残り時間で取り組む。未回答(空欄)は0点にしかならないため、終了前に塗り漏れがないかを必ず確認する。
スコア帯別の配分目安とチェックポイント方式
上記の「Part5: 10分・Part6: 10分・Part7: 55分」は600〜800点台を目指す段階の基準配分だ。実際にはReadingスコア(495点満点)帯によって、Part5・6の処理速度とPart7に回せる時間が変わる。
| Readingスコア(参考換算) | Part 5 | Part 6 | Part 7 | Part 7 到達目標 |
|---|---|---|---|---|
| 200〜299点(全体400点台) | 15分 | 12分 | 48分 | シングル前半を確実に取る |
| 300〜349点(全体600点台) | 12分 | 10分 | 53分 | シングル全問+ダブル前半 |
| 350〜399点(全体700点台) | 10分 | 9分 | 56分 | Part 7 全問を解き切る |
| 400点以上(全体800点台以上) | 8〜10分 | 7〜9分 | 57〜60分 | 全問+見直し時間の確保 |
400点台〜600点台の段階では、Part 7 全問を解き切ることより Part 5・6 の正答率を高めることが得点効率上の優先事項になる。この配分を頭で理解していても、本番で使えなければ意味がない。実際に有効なのは、チェックポイントを3点だけ事前に決める「チェックポイント方式」だ。①問題番号130(Part5終了)を解き終わった時点で試験開始から何分か、②問題番号146(Part6終了)を解き終わった時点、③問題番号175前後(Part7シングルパッセージ終了)の3点を目標時間として事前に決めておき、超過したら「この問題にこれ以上時間をかけない」と機械的に判断する。この方式は模試演習で使い慣れてから本番に持ち込む必要がある。模試のたびに「Part5終了時に何分経過していたか」を記録する習慣をつけると、自分の処理速度の実態が数字で把握できる。
時間配分の感覚は練習でしか身につかない
上記の数字(Part5: 10分・Part6: 10分・Part7: 55分)は机上の目安だ。実際に自分が10分でPart5の30問を処理できるペースかどうかは、本番形式の通し練習でしか確認できない。
Scordiaの模試では本番と同じ時間制限でリーディングセクションを通し練習できる。最初の1〜2回はペースを無視して正確さを優先し、3回目以降から時間制限を意識する順番が定着への近道だ。
リーディングの時間配分は、本番で初めて「なぜ足りなかったか」に気づくのでは遅い。Part5の処理速度・Part6の文書ペース・Part7の設問先読み習慣をそれぞれ個別に練習して積み上げることが、75分を設計通りに動かす唯一の方法だ。
リスニング・リーディング両セクションの時間配分を含む試験戦略の全体像はTOEIC勉強法完全ガイドでまとめている。学習計画と本番戦略を一括して確認したい場合はそちらを参照してほしい。
この時間配分は、本番直前の1週間で新しく覚える段階ではなく、時間を計っても崩れない状態に仕上げる段階に入っている必要がある。直前1週間に何を優先して復習すべきかはTOEIC直前1週間の過ごし方|伸びる対策と逆効果な行動で整理している。
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この記事に関するよくある質問
Q. TOEICリーディング75分のPart別推奨配分はどのくらいですか?
A. Part5(30問)に10分以内・Part6(16問)に10分・Part7(54問)に55分が一般的な目安です。Part5を10分に抑えることでPart7に十分な時間を確保できます。Part5で1問あたり20〜25秒を意識し、迷ったら30秒で切り上げてマークする判断が重要です。
Q. TOEICのリーディングで時間切れになる典型的な原因は何ですか?
A. 主に3つのパターンがあります。①Part5の問題に考え込みすぎて1〜2分使う、②Part7を設問を見ずに全文精読しようとする、③難問にこだわって後続問題が解けなくなる、です。2分経ったら次へ進むルールを事前に決めておくことが対策として有効です。
Q. TOEIC試験で時間が足りなくなったら「塗り絵」はすべきですか?
A. TOEICは誤答でも減点がないため、未解答のままにするより同じ選択肢でまとめてマークすることを推奨します。残り2〜3分で10問以上が未解答なら、全部同じ記号でマークしてから残り時間で少しでも取り組む方が期待得点は高くなります。
Q. TOEICリーディングは全問解き終える必要がありますか?
A. 900点以上を狙う場合は全問解き終わるペースが前提ですが、600〜800点台では全問解き切る必要はありません。シングルパッセージとPart5・6を確実に押さえ、ダブル・トリプルパッセージは時間内に処理できる分だけ深く解く戦略でも目標スコアに届きます。
Q. Part5で1問あたり何秒で解けば時間内に終わりますか?
A. 目安は1問20秒、最大でも30秒です。30問で10分を維持できれば、Part6に10分、Part7に55分を確保できます。30秒を超える場合は深追いせず、コロケーションや文の骨格から1つに絞ってマークし、見直し時間で再考する流れが安全です。
Q. Part7の時間切れを防ぐためにどの設問を後回しにすべきですか?
A. 「NOT問題(〜でないものを選べ)」「文挿入・整序問題」「推測問題(Implied / Suggested)」は処理時間が長くなりやすいため、時間が少ない場合は先にマークして後回しにします。逆に本文に答えが明示される「詳細問題(Detail questions)」は素早く処理できるため優先します。
Q. 自分のスコア帯に合った時間配分はどう決めればいいですか?
A. Readingスコア(495点満点)が300点未満なら Part5・6 にやや厚めの時間(合計22〜27分)を割いてシングルパッセージを確実に取る配分、350点以上なら Part5・6 を19分以内に抑えてPart7を全問解き切る配分が目安です。問題番号130・146・175前後を通過した時点の経過時間をチェックポイントとして事前に決めておくと、本番で崩れにくくなります。
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