
Part7の設問文で "purchase" と書かれているのに、本文には "buy" しか出てこない。この状況で本文を探し回って時間を無駄にした経験がある人は多いはずだ。これは偶然ではなく、設問と本文の語彙・構文を意図的にずらす「パラフレーズ」が試験設計の核心になっているからだ。
Scordiaの収録データより: Part7詳細問題(detail question)の正答選択肢のうち、本文の表現をそのまま使っているものは少数派だ。設問と本文で異なる語彙・構文が使われているケースが大半を占める(Scordia収録問題の傾向分析、2026年5月時点)。
この仕組みを理解せずにPart7を解くと、正答が目の前にあっても「本文にその表現が見つからない」という状態に陥りやすい。逆に、本文の語をそのままコピーした罠の選択肢にも引っかかりやすくなる。

パラフレーズには2種類ある — 単語レベルと構造レベル
言い換えには大きく2種類がある。どちらのパターンかを識別することが、正答の根拠を見つける際の判断基準になる。
| パラフレーズの種類 | 例(本文 → 設問/選択肢) | 難易度 |
|---|---|---|
| 単語レベルの同義語 | purchase → buy submit → send in terminate → end |
低〜中(語彙知識があれば気づける) |
| 構造レベルの言い換え | 「Due to heavy rain, the event was postponed.」 →「The event did not take place as planned because of weather conditions.」 |
高(意味の再構成が必要) |
| 能動態↔受動態の変換 | 「The committee approved the proposal.」 →「The proposal was approved.」 |
中(見慣れれば判断しやすい) |
| 数値・日付の言い換え | 「The discount period ends on March 31.」 →「Customers have until the last day of March to receive the discount.」 |
中(内容を理解した上で照合が必要) |
単語レベルのパラフレーズ — TOEIC頻出の同義語ペア
Part7で繰り返し使われる同義語ペアを事前に把握しておくと、本文と設問の対応が素早く見つかる。

| 本文でよく使われる語 | 設問・選択肢でよく使われる同義語 |
|---|---|
| purchase / buy | acquire, obtain, order |
| submit | send in, turn in, provide |
| schedule / plan | arrange, organize, set up |
| terminate / cancel | end, discontinue, call off |
| require | need, must, be necessary |
| inform | notify, let someone know, advise |
| expand | grow, increase, extend |
| approximately | about, around, nearly, roughly |
例題
(本文)"Customers who purchase the annual plan will receive a complimentary upgrade." 設問: What benefit is offered to annual subscribers? — 正答を選ぶ際に本文と対応する言い換えはどれか。
- A discount on the monthly plan
- A free service enhancement
- An extended payment period
- A refund on the annual fee
解答・解説を見る
正解: (B) A free service enhancement
本文 "complimentary upgrade" が選択肢では "free service enhancement" に言い換えられている(complimentary → free、upgrade → service enhancement)。単語レベルの同義語パラフレーズの典型例だ。本文に discount / payment / refund は登場しないため (A)(C)(D) は誤答。purchase → annual subscribers の対応も同時に確認すると照合が確実になる。
構造レベルの言い換えへの対処 — 意味の骨格を取り出す
構造レベルの言い換えは、語彙ではなく文の構造・視点が変換されている。このタイプは語彙知識だけでは対応できず、「文全体が何を言っているか」を要約する読み方が必要になる。

構造レベル言い換えの解法手順
- 本文の該当文を「主語は何か、動詞は何か、目的/補足は何か」に分解する
例: 「The sales department submitted the quarterly report last Friday.」
→ 主語: 営業部、動詞: 提出した、目的: 四半期報告書、時期: 先週金曜 - 選択肢を同じ視点で要素分解して照合する
例: 「A report was sent to management on Friday.」
→ 主語: 報告書(受動)、動詞: 送られた(受動)、対象: 経営層、時期: 金曜
→ 「sales department → management への提出」が「送られた」という受動態に変換されている。内容は一致する。 - 要素が全て対応しているか確認してから正答と判断する
一部が一致していても全体として別の事実を述べている選択肢は誤答になる。
罠の選択肢と時間管理
Part7の誤答選択肢には「本文の語をそのまま使っているが、文意がずれている」パターンが存在する。パラフレーズを意識するあまり選択肢を精読しすぎると、この罠にはまるリスクが高まる。
正答の根拠は本文の1〜2文に集中していることがほとんどだ。根拠となる文を特定した後は、選択肢の骨格(主語・述語・対象)だけを照合し、完全に読み込まない速度管理が実用的だ。「本文の語をそのまま使っている選択肢は誤答の可能性が高い」という傾向は試験設計上の意図として広く知られているが、あくまで傾向であり絶対則ではないことも覚えておきたい。

Part7全体の時間配分戦略はTOEIC時間管理の記事でも整理している。パラフレーズの頻度は文書の種類によって異なり、Part7頻出文書タイプ別の読み方を合わせて確認すると文書タイプごとの特徴をつかみやすい。表に挙げた同義語ペア(purchase/buy、submit/send in、approximately/about など)の多くはintermediateレベル単語帳に収録されており、語彙とパラフレーズを同時に鍛えられる。
パラフレーズ解法を含む、Part7全体の速読と時間配分の戦略はTOEICリーディング完全攻略ガイドにまとめている。
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