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グループで写真を見ながら確認しているオフィスの様子

リスニング

Part1のひっかけ4パターン|動作描写の落とし穴

執筆: Scordia編集部|運営・確認: 佐野 修斗

Part1(写真描写問題)の全6問で失点する受験者の多くは、「意味は分かるのに引っかかった」という体験をしている。その根本原因は知識不足ではなく、制作側が意図的に組み込む4つの誘導パターンを知らないことにある。パターンを事前に把握していれば、音声を聴きながらでも罠を見抜ける。

ヘッドフォンで音声を聴きながら学習するイメージ
Part1は音声のみで選択肢が読み上げられる — 聴いている最中ではなく、聴き終えた後に写真と照合する習慣が誤答を防ぐ

4パターンを先に把握する

パターン 具体例(誤答選択肢の罠) 見抜き方
1. 状態 vs 動作の混同 wearing(状態)と putting on(動作中)を混用 写真の人物が「その動作を今やっているか」を確認
2. 写真にない物の描写 写真に映っていない机や人物を正確に描写した選択肢 選択肢の名詞が写真内に実際にあるかをチェック
3. 音の類似語(音韻的ひっかけ) close(閉じる)と cross(渡る)、sea(海)と see(見る)など 聴き終えた後、文脈と写真の内容から照合する
4. 受動態の主語ミス 荷物が「置かれている」のに、人が主語の文で「置いている最中」と描写 受動態(be being done)と状態(be done)の区別を確認

パターン1 — wearing vs putting on、状態と動作は別物

最も頻繁に機能するひっかけが、着用「状態」と着用「動作」の混用だ。

  • A man is wearing a suit. → スーツを着ている状態。写真の人物がスーツ姿であれば正解。
  • A man is putting on a suit. → スーツを着ている動作の最中。袖を通している瞬間が写っていなければ誤り。

日本語では両方「着ている」と訳せるが、英語では状態と動作が厳密に区別される。写真の人物が「その動作を今やっているか」を先に確認してから選択肢を判定する。

例題(Part1・状態 vs 動作)

写真の状況: スーツを着た男性が机に向かって座り、書類を読んでいる。(選択肢A〜Dは音声のみで読み上げられる)

  1. A man is putting on a jacket.
  2. A man is opening a window.
  3. A man is wearing a suit.
  4. A man is standing by the door.
解答・解説を見る

正解: (C) A man is wearing a suit.

男性はすでにスーツを着た「状態」なので wearing が正しい。(A) putting on は「今まさに上着を着る動作の最中」を表すが、写真にその動作はないため誤り(状態 vs 動作の混同)。(B) は写真に窓を開ける動作がない、(D) は男性が座っており立っていないため誤り。

同じ構造が他の表現にも展開される。

状態(is + 形容詞/過去分詞) 動作(is + 現在分詞)
is seated(座っている状態)is sitting down(座りかけている動作)
is parked(駐車された状態)is parking(駐車している動作)
is displayed(陳列されている状態)is being displayed(陳列されている最中)
is closed(閉まっている状態)is closing(閉まりかけている動作)
試験会場でマークシートを記入しながら問題冊子を見ている受験者のイメージ
写真を見た瞬間に「この人は今まさにその動作をしているか」を確認する — それだけでパターン1の誤答を防げる

パターン2 — 写真に存在しない物を正確に描写する

この罠は「細部が正確な描写」に聞こえる選択肢が、実は写真に存在しない物を述べているケースだ。写真に「机と椅子とノートパソコン」が映っていても、選択肢が "There are some books on the shelf." と述べていれば、本棚が映っていない限り誤りになる。

描写内容が自然でも、写真に実在しない名詞を主体にした選択肢は必ず誤答だ。選択肢の中で最初に出てくる名詞(人・物・場所)が写真内に本当にあるかを視覚的に確認する習慣をつける。

パターン3 — 発音が似た語で意味が別の「音韻的ひっかけ」

Part1は選択肢が音声のみで読み上げられる。視覚的に確認できないため、発音の類似によるひっかけが機能しやすい。

Part1で頻出する音の類似ペア
  • close(クローズ:閉じる)/ cross(クロス:横断する) — "crossing a bridge" と "closing a window" は写真の状況次第で意味が正反対になる。
  • seat(シート:席)/ sheet(シート:紙) — 文脈で判断できるが、耳だけで聞いていると混同しやすい。
  • aisle(アイル:通路)/ isle(アイル:小島) — 発音はほぼ同じ。写真がスーパーマーケットなら aisle、海岸なら isle と文脈で判断する。
  • board(ボード:板/搭乗する)/ bored(ボード:退屈した) — "boarding a bus" と "looking bored" では意味が大きく異なる。

対処法は一つ。選択肢を聴いている途中ではなく、聴き終えた後に写真と照合する。音声に引きずられて「聞こえた音から連想される光景」が浮かんでも、写真の実際の内容と照合してから判定する習慣が、この罠を外す唯一の方法だ。

ヘッドフォンとメモ用紙
音声を聴きながら写真を見る — 「聴いた音の連想」ではなく「写真の事実」を基準にする

パターン4 — 受動態の主語と動作の有無

写真に「荷物が棚に積まれている」場面が映っている場合、正しい描写は "Boxes are stacked on the shelves."(状態の受動)だ。誤った描写として "A person is stacking boxes on the shelves." が提示されることがある。写真に人物が映っていないか、人物が棚から離れている場合、この動作描写は誤りになる。

受動態の2種類を見分けることも重要だ。

  • 状態の受動: "Boxes are stacked." — 積まれている状態を描写。積んだ動作は問わない。
  • 動作の受動: "Boxes are being stacked." — 今まさに積まれている最中の動作を描写。写真でその動作が進行中でなければ誤り。受動態表現がPart1でどのように出題されるかはPart1の受動態パターン解説で整理している。

Part1では写真に人物が登場しないシーンも多い。そのような写真で "A worker is doing..." という能動態の選択肢が提示された場合、ほぼ誤答だ。人物が映っていない写真では、状態の受動態または物主語の表現が正解になることが多い。

ヘッドフォンで英語リスニング学習をしている人のイメージ
写真を先に分析する — 「人物がいるか」「動作中か状態か」を確認してから選択肢を聴くと判定が速くなる

4パターンへの共通対処法

4つのパターンに共通する対処は「写真を3点で先に分析すること」だ。

  1. 人物の有無 — 人が映っていれば能動態も候補に入るが、いなければ状態・受動態中心で聴く。
  2. 動作中か状態か — 人物が何かを「している最中」かどうかを視認してから選択肢を聴く。
  3. 写真内に何があるか — 主な物・場所を先に把握しておくと、存在しない物を描写した選択肢を即排除できる。

Part1でどんな場面の写真が多く出るかはPart1の場面別出題分布を確認しておくと、どのひっかけが起きやすい写真かが予測できる。ScordiaのPart1リスニング問題では各設問でひっかけの分類を確認でき、Part1全6問の安定化に直結する。

Part1のひっかけ対策から、リスニング全体のスコアアップに向けたPart別攻略法はTOEICリスニング完全攻略ガイドで体系的にまとめています。Part1・Part2を一記事で体系化したTOEIC Part1+2完全攻略ガイドでは場面別パターン・消去法・間接応答の全体像を確認できます。

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Part1の写真描写問題を練習する →

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