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TOEICとGTECどちらが大学受験に有利?390校 vs 500校

執筆: Scordia編集部|運営・確認: 佐野 修斗

「TOEICは大学入試に使えなくなった」という話を聞いたことがある高校生や保護者は少なくない。一方でGTECは高校の授業内で受けさせられる学校も多く、受験生にとって身近な存在になっている。この2つの試験、実際に大学入試でどちらがどれだけ使われているのか、公式データで比較すると意外な実態が見えてくる。

TOEICとGTECは別物 — まず測るものが違う

GTECはベネッセコーポレーションが運営し、Reading・Listening・Writing・Speakingの4技能を1回の受験でまとめて測定する。主な受験者層は高校生で、学校単位での団体受験が中心になる。一方TOEICはIIBCが運営し、L&R(Listening&Reading)とS&W(Speaking&Writing)が別建ての試験になっている。大学生・社会人の受験が中心だが、高校生の受験者も一定数いる。

この設計の違いが、大学入試での使われ方の違いにそのまま反映される。GTECは学校側が「4技能を一括で見る」目的で導入しやすく、TOEICは個人受験のスコアを持参して出願要件や加点に使う形が中心になる。

大学の講堂や試験会場のイメージ
同じ「外部検定利用」でも、GTECは学校経由の団体受験、TOEICは個人受験の持ち込みという入口の違いがある

採用校数を公式データで比較する

IIBCが公表する「TOEIC Program大学入学試験における活用状況(2025年度)」によれば、全国786校を調査したうち390校がTOEIC Programを何らかの形で活用している。内訳はTOEIC L&Rが388校、TOEIC S&Wが300校、L&R+S&Wの4技能セットが250校、TOEIC Bridge Testsが84校となっている(IIBC公式データより)。

一方ベネッセの公式サイトでは、GTECは「全国500以上の大学・短大の入試で活用できる」と案内されている(ベネッセ公式サイトより)。単純な採用校数だけを見ればGTECの方が多いが、これは団体受験のしやすさと、高校の授業内で受験機会が用意されている構造上の違いが大きい。

項目TOEICGTEC
運営団体IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)ベネッセコーポレーション
測定技能L&R(2技能)とS&W(2技能)は別試験4技能を1回の受験でまとめて測定
主な受験者層大学生・社会人が中心、高校生も一定数高校生が中心、学校単位の団体受験が多い
大学入試での活用校数390校/786校調査(2025年度・IIBC公式データ)500校以上(ベネッセ公式サイト)

「大学入試英語成績提供システム」との混同に注意

「TOEICはもう大学受験で使えない」という誤解の出どころは、2019年度に導入予定だった文部科学省の「大学入試英語成績提供システム」だ。TOEICはL&RとS&Wが別試験である運用上の複雑さを理由にこの共通システムへの参加を辞退し、システム自体も2020年に導入見送り、2021年に正式廃止となった。

ここで混同してはいけないのは、「文科省の共通システムに参加しなかったこと」と「各大学が個別に実施する入試でTOEICを使えるかどうか」は別の話だという点だ。共通システムは廃止されたが、各大学が独自に行う推薦入試・AO入試・一般入試での得点換算・出願資格・加点措置としてのTOEIC活用は、前述の通り2025年度時点で390校が続けている。

複数の英語テキストと資料が並ぶ比較検討のイメージ
「共通システムの廃止」と「個別大学での活用継続」を混同すると、使える選択肢を見落としてしまう

高校生はどちらを優先すべきか — 進路パターン別の考え方

学校でGTECの受験が必修化されている場合、まずはその結果を素直に活用するのが効率的だ。学校側がすでに受験料や日程を用意しているものを追加でTOEICに置き換える必要はない。判断が必要になるのは次のようなケースだ。

  1. 志望校がTOEICの活用実績を明示している場合 — 出願要項に「TOEIC◯点以上で加点」等の記載があれば、GTECと並行してTOEICも受けておく価値がある
  2. 推薦・AO入試で英語力を客観的に示したい場合 — TOEICは何度でも個人受験でき、スコアの更新がしやすい。学校のGTEC受験機会が限られている場合の補完になる
  3. 大学進学後も英語資格を使い続ける予定がある場合 — 就職活動や資格要件でTOEICスコアを求められる場面は多い。高校生のうちから慣れておく意味は大きい
大学のキャンパスと研究書類のイメージ
進学後の英語資格活用まで見据えると、高校生のうちからTOEICに触れておく選択肢も検討に値する

どちらか一方を選ぶ必要はない。学校のGTEC受験を土台にしつつ、志望校の要項次第でTOEICを追加するという併用の発想が現実的だ。まずはレベル診断で今の実力を把握してから、追加受験の必要性を判断するとよい。

大学受験を見据えたTOEICのスコア設計はTOEICスコア別ロードマップで体系的に整理している。

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