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机に向かって英語を学ぶ中学生のイメージ

学習戦略

中学生が TOEIC を受験する意味 — メリット・目標スコア・学習の進め方

IIBC の受験者データによると、10 代の受験者は TOEIC 全受験者のうち少数にとどまる。それでも近年、英語教育の前倒しが進み「中学生のうちに TOEIC を受けてみたい」という声は増えている。TOEIC に年齢制限はない。問題は「受けられるかどうか」ではなく、「いつ受けると意味があるか」だ。

親子で一緒に机に向かって英語を学習するイメージ
TOEIC 受験を検討する中学生には、保護者と目標と学習計画を共有して進める方が継続しやすい。

受験前に知っておくべき試験の特徴

TOEIC L&R は「ビジネス英語」を題材にした試験だ。オフィスでの会議、メール、業務報告、採用広告といった場面が問題に頻出する。学校の英語の授業で扱う会話表現や物語文とは題材が大きく異なる。

試験時間は 2 時間(リスニング 45 分・リーディング 75 分)で、合計 200 問を解く。途中休憩はない。試験に慣れていない中学生にとって、この集中力の持続が最初の壁になる。「英語の問題を解く」という感覚より「体力測定」に近い側面があることを最初に理解しておく方が現実的だ。

中学生の現実的な目標スコア

中学英語の基礎(中 1〜3 の文法・語彙)をしっかり習得していれば、300〜400 点は十分に狙える。英語が得意で高校文法まで学習済みであれば、500〜600 点も現実的だ。

英語の習熟度 目安スコア
中学英語の基礎が定着 300〜400 点
英検 3 級〜準 2 級レベル 400〜550 点
英検 2 級レベル / 高校英語まで学習済み 550〜650 点

上記はあくまで目安だ。TOEIC は「知識量」だけでなく「時間内に処理できるか」も問われる。英語の知識があっても、200 問 2 時間というペースに慣れていないと本来の実力より低いスコアが出やすい。初回受験は「実力テスト」として割り切るのが正しい心構えだ。

フラッシュカードと単語帳が並んだ学習テーブルのイメージ
TOEIC 頻出語彙は日常英会話とは重なりが少ない。単語帳の選択は中学生向けの TOEIC 入門書を基準にするとよい。

TOEIC が「有効に機能する」条件と「逆効果になる」条件

中学生が TOEIC を受験することには、実際に価値がある場合とそうでない場合がある。どちらに当てはまるかを見極めてから判断する方が費用と準備時間を無駄にしない。

有効に機能するケース
英検 2 級以上を取得済み、または高校英語の文法・語彙まで独学で進んでいる。大学入試で TOEIC スコアを優遇する私立大学(一部)への出願を検討している。英語力の絶対値を全国基準で把握して学習の方向性を定めたい。

逆効果になりやすいケース
中学英語の文法がまだ不安定な段階で TOEIC 問題集を始める。英検の受験歴がなく試験慣れしていない。「とりあえず受けてみよう」という目的の曖昧な状態での初受験。

TOEIC スコアを高校入試の内申優遇に使える機会は現状では非常に限られている。その点では英検(3 級→準 2 級→2 級の段階取得)の方が高校入試・大学入試で活用できる場面が多い。

英検と TOEIC の使い分け

中学生が英語の資格を取るなら、英検が優先だ。高校入試での内申優遇、大学入試での英語外部試験活用制度は英検を軸に設計されていることが多い。TOEIC スコアを入試優遇に使える機会は限定的だ。

現実的な順序はこうだ。英検 3 級(中学卒業レベル)→ 英検準 2 級(高校中級)→ 英検 2 級(高校卒業)を段階的に取得する。この過程で培ったリスニング力・読解力・語彙力はそのまま TOEIC に転用できる。英検 2 級を取得した段階で TOEIC に挑戦すると、初回でも 500〜600 点台のスコアが見込める。英検と TOEIC の具体的な使い分けについてはTOEIC vs 英検も参照してほしい。

試験会場でマークシートを記入しながら問題冊子を見ているイメージ
TOEIC は 2 時間マークシートを塗り続ける体力試験でもある。受験前に公式模擬試験を通しで解いて時間感覚を体験しておくことを強くすすめる。

学習を始める順序

「TOEIC の問題集で英語を勉強しよう」は中学生にとって非効率だ。TOEIC の題材(業務メール・会議・採用広告)は中学生に馴染みが薄く、内容を理解しながら解くことができないため演習の効果が薄れる。

学習の順序は次のとおりだ。

  1. 中学英語の文法を固める — 基本 5 文型・時制・助動詞・関係代名詞を確実に理解する。この段階では TOEIC 専用教材は不要だ。
  2. 英検準 2 級レベルの語彙を習得する — 英検準 2 級相当の語彙(約 3,000〜5,000 語)は TOEIC でも高頻度で出題される。
  3. リスニング習慣を作る — 毎日 15〜20 分、英語の音声(英検の過去問音声・NHK ラジオ英語など)を聞く。耳が英語に慣れるまで 1〜2 か月かかる。
  4. TOEIC 入門教材で形式に慣れる — 上記 3 つが揃ってから TOEIC の問題形式に触れる。

スコア取得に必要な学習時間の目安についてはTOEICスコアアップに必要な学習時間も参考になる。

書棚に並ぶ英語の参考書とノートのイメージ
中学生が TOEIC を目指すなら、TOEIC 専用問題集より先に英文法の基礎テキスト 1 冊を仕上げることの方が近道になる。

TOEIC の題材はビジネス寄りで中学生には馴染みにくい話題が多い。英語そのものへの興味を保ちながら進めるために、試験勉強と並行して英語の映画・音楽・海外 YouTube など「楽しめる素材」も取り入れると継続しやすい。IIBC のデータでも 10 代受験者は少数派であり、試験の難易度と目的を理解した上で受験を検討することが大切だ。高校生になってからの受験計画については高校生のTOEIC目標スコアガイドも参考になる。

中学生が TOEIC を目指す際の学習全体像については、TOEIC勉強法完全ガイドも参考になる。

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