
Part7の計算問題は本文を隅々まで読む必要はない。求められる数字が本文のどこに書かれているかを素早く見つけ、必要な演算を1〜2回行うだけで正答できる問題がほとんどだ。この「数字スキャン → 演算 → 選択肢と照合」という処理を速くすることが、計算問題の得点率を上げる核心だ。
Scordiaに収録されているPart7問題810問のうち、計算問題(calculationタグ)は52問(約6.4%)だ。見落としがちだが、本番でも同程度の割合で出題される。
出典: Scordia収録Part7問題810問のタグ別集計より(2026年6月時点)。calculationタグは52問、全体の約6.4%。
計算問題の3つの典型パターン
Scordiaの52問を分類すると、以下の3パターンがほぼすべてを占める。
| パターン | 問われること | 演算の種類 |
|---|---|---|
| 合計金額の計算 | 複数の商品・サービスを合計するといくらか | 足し算(場合によって割引の減算も含む) |
| 割引後の価格 | 定価から割引率・割引額を適用した後の価格 | 掛け算(×0.8など)または引き算 |
| 期間・日数の計算 | サービス開始日・期限・所要日数の把握 | 引き算(期間の長さを求める) |
数字スキャン術 — 本文を全部読まない方法
計算問題の設問は "How much will Mr. Smith pay for..." や "What is the total cost of..." のように、金額や数量を問う形式が明確だ。設問を読んだ時点で「計算問題だ」と判定し、以下の手順に切り替える。
-
設問から「何の数字を求めるか」を把握する
"total cost"(合計金額)、"after the discount"(割引後)、"how many days"(期間)などのキーワードを確認する。何を計算すればよいかが決まる。 -
本文の数字($記号・%・日付・数量)だけを目で追う
プレーンテキスト部分は読まず、数字が書かれている行だけに視線を向ける。本文に数字が少ない場合は30秒以内にすべて把握できる。 -
条件を確認してから演算する
割引が「最初の注文のみ」「合計$100以上で適用」など条件付きの場合がある。設問の主語(Mr. Smithの条件は何か)と照合した上で計算する。 -
選択肢の数字と照合して終了
計算結果が選択肢の1つと一致すれば正解だ。一致しない場合は計算条件(税込/税抜、適用可否)を見直す。
例題
【本文の条件】単価120ドルの製品。10個以上の注文で15%割引が適用される。設問:12個注文した場合の合計金額はいくらか。
- 1,440ドル
- 1,224ドル
- 1,200ドル
- 1,020ドル
解答・解説を見る
正解: (B) 1,224ドル
12個は「10個以上」の条件を満たすため15%割引が適用される。計算は 120 × 12 = 1,440、ここに割引後の0.85を掛けて 1,440 × 0.85 = 1,224 ドル。(A) 1,440ドルは割引適用前の正価で、条件を見落とすと選んでしまうひっかけ。(C)・(D) は誤った数量や割引率で算出した値で一致しない。割引条件を演算前に確認する習慣が正答の鍵だ。
複数文書(double / triple passage)での情報統合
Part7後半の複数文書問題では、計算に必要な数字が2〜3つの文書に分散して書かれているケースがある。例えば「注文書に数量と単価が書いてあり、請求書に割引条件が書いてある」という形式だ。
このタイプへの対応手順は次のとおりだ。複数文書全体の読解フローはPart7トリプルパッセージ攻略法で詳しく整理しているため、計算問題対策と合わせて確認しておくとよい。
- 設問で「どの文書の情報が必要か」を特定する("according to the order form"などのヒントがある場合も)
- 各文書から数字を拾い出してメモする(単価・数量・割引率をそれぞれ把握する)
- 文書をまたいで演算する(単価×数量 → 合計 → 割引適用 → 税処理の順)
ひっかけパターン — 税込/税抜と「割引適用前」の数字
計算問題の誤答で最も多いのは、選択肢に「割引前の正価」や「税抜価格」が紛れているパターンだ。本文にある数字をそのまま選択肢と照合すると一致してしまうが、それは割引や税を考慮する前の数字であることが多い。
典型的なひっかけの構造(展開して確認)
割引適用前の正価がひっかけ選択肢として並ぶケース
本文に "$200 per unit (15% discount for orders of 10 or more)" と書いてあり、設問が "How much will the customer pay for 12 units?" の場合、本文の "$200" をそのまま使って "$2,400" を選ぶと誤答になる。正解は $200 × 0.85 × 12 = $2,040 だ。選択肢に "$2,400" が並んでいることが多く、注意が必要だ。
税抜/税込の混同
本文に "Price: $180 (tax not included) / Tax rate: 10%" と書いてある場合、設問が "What is the total amount due?" なら $180 + $18 = $198 が正解だ。$180 と $18 が誤答選択肢として並ぶことが多い。
計算問題は英語力より「設問の条件を正確に読む」精度が問われる。Scordiaの52問を使って、数字スキャンと条件確認のスピードを上げることが得点率向上の近道だ。本文の言い換えパターンを素早く見抜く力があると計算条件の読み違いも減るため、Part7パラフレーズ対策と並行して練習すると効果的だ。
計算問題を含むPart7の設問タイプ全体と、75分の時間配分戦略はTOEICリーディング完全攻略ガイドでまとめています。
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編集部の見解
Scordiaの計算問題52問を設計・検証した経験から言えることとして、計算ミスよりも「適用条件を読み飛ばす」ことによる誤答の方が圧倒的に多い。「合計$100以上の場合に割引」「初回注文のみ適用」のような条件を見落とすと、正しい計算式を使っても誤答選択肢の数字を選んでしまう。本文の条件記述箇所を一度確認してから演算する習慣をつけることが、計算問題の正答率安定につながる。
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