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TOEIC・TOEFL・IELTSの違い【用途別比較】選び方

「TOEICのスコアがあれば留学に使えますか」という質問は、目的地によって答えが変わる。米国・英国・オーストラリアの大学入学に必要なのはTOEFLまたはIELTSであり、TOEICは多くの場合、留学出願書類として受け付けられない。一方でTOEFLやIELTSを就職活動のエントリーシートに書いても、日本企業の多くはTOEIC換算で評価する。

3つの試験はそれぞれ「誰が」「何のために」設計したかが異なる。この記事では試験ごとの特徴を比較表で整理し、自分のシナリオに合う試験を選ぶための判断軸を示す。

出典: IIBC公式(toeic.or.jp)、ETS公式(ets.org)、IELTSオフィシャルサイト(ielts.org)の公開情報、および各試験のCEFR対照表(公開情報)より。スコア・受験料は2026年4月時点の情報を元に整理しているが、改定の可能性があるため受験前に必ず公式サイトで確認すること。

3試験の基本仕様比較

項目 TOEIC L&R TOEFL iBT IELTS
測定スキル Listening + Reading(2技能) Reading / Listening / Speaking / Writing(4技能) Reading / Listening / Speaking / Writing(4技能)
スコア体系 10〜990点(5点刻み) 0〜120点(各セクション0〜30) 0〜9.0(0.5刻み)
試験時間 約2時間 約3時間 約2時間45分
主な出題内容 ビジネス英語(職場・会議・メール・広告) 学術英語(大学講義・論文・議論) 一般英語または学術英語(AcademicとGeneral Trainingで選択)
受験料目安(公開情報) 約7,810円(L&R公開) 約245ドル前後(ETS公表価格) 約25,380円前後(IELTS Japan公表価格)
運営主体 IIBC(日本)/ ETS(問題制作) ETS(Educational Testing Service) British Council / IDP / Cambridge Assessment English

CEFRを軸にしたスコア対照 — 同じレベルを3試験で比較する

英語力の共通基準として使われるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を使うと、3試験のスコアを同じ軸で比較できる。以下は各運営機関が公開しているCEFR対照表をもとにした整理だ。

CEFRレベル 英語力の目安 TOEIC L&R TOEFL iBT IELTS
C1(上級) 複雑な議論を理解・表現できる 945点以上 95点以上 7.0以上
B2(中上級) 主要な内容を理解・議論できる 785〜940点 72〜94点 5.5〜6.5
B1(中級) 日常・職場の話題を概ね理解できる 550〜780点 42〜71点 4.0〜5.0
A2(初中級) 身近なトピックの基礎的なやり取りができる 225〜549点 3.0〜3.5

TOEIC 730点(B1〜B2の境界付近)は、TOEFL iBT換算では60〜70点台、IELTS換算では5.0〜5.5程度に相当するとされている。ただし測定スキルが異なる(TOEICは2技能、TOEFL・IELTSは4技能)ため、TOEICで高スコアでもSpeakingとWritingの試験には別途対策が必要だ。TOEIC 730→900点の学習戦略はTOEIC 700→900点攻略ロードマップで整理しており、TOEFLへの移行前にTOEICで土台を固める際の参考になる。

シナリオ別 — どの試験を受けるべきか

まず目的別の早見表で全体像をつかんでおこう。下の各項目の詳細は続くセクションで補足する。

目的・シナリオ 基本の選択 主な要求水準の目安
日本企業への就職・新卒採用TOEIC L&R600〜730点でアピール可
社内昇進・海外赴任の社内基準TOEIC L&R730〜860点を設定する企業が多い
米国・カナダの大学(学部)留学TOEFL iBT80〜90点(大学による)
米国・カナダの大学院留学TOEFL iBT100点以上が多い
英国・豪州・NZの大学(学部)留学IELTS(Academic)6.0〜6.5
英連邦圏の大学院留学IELTS(Academic)6.5〜7.0
就労ビザ・移住申請IELTS(General Training)申請先の規定による

各水準は本記事執筆時点(2026年4月)の一般的な目安であり、出願先・申請先によって異なる。最終的な基準は必ず各機関の公式情報で確認すること(出典:ETS公式、IELTS公式、IIBC公式の公開情報)。

日本企業への就職・昇進・社内評価 → TOEIC L&R

日本企業のTOEICスコア提出要件はほぼすべてTOEIC L&Rを前提としている。「英語公用語化」を進める企業や、海外赴任基準として730点・860点を設定している企業が多い。受験機会が年間10回以上(公開テスト)あり、スコアにIIBCが定める公式の有効期限が無い(提出先が独自に有効期間を設ける場合はある)ことも使いやすい理由の一つだ。

米国・カナダの大学・大学院への留学 → TOEFL iBT

米国の多くの大学はTOEFL iBTを英語能力証明として採用している。学部入学には一般的に80〜90点(大学による)、大学院には100点以上を要求するケースが多い。試験内容が「大学の授業・講義・論文」を模したものであり、入学後の実際の学習環境に近い。

英国・オーストラリア・カナダの大学、または移住申請 → IELTS

英国・オーストラリア・カナダ・ニュージーランドの大学や移住申請では、IELTSが広く採用されている。英国の学部入学には通常IELTS 6.0〜6.5、大学院には6.5〜7.0が求められることが多い。AcademicとGeneral Trainingの2種類があり、大学入学はAcademic、移住申請・就労ビザはGeneral Trainingを選ぶ。

「TOEICで高スコアだとTOEFLも高いはずでは?」という誤解

TOEIC 900点台でもTOEFL iBTが70点台にとどまるケースは珍しくない。理由は測定スキルの違いにある。TOEIC L&Rは「読む・聞く」の2技能のみで、ビジネス場面の平易な英語が中心だ。TOEFL iBTは「話す・書く」も含む4技能で、学術的な語彙・論理構造・スピーキングの流暢さも評価する。

TOEICでビジネス英語の読解・リスニングを磨いた後に留学を考えるなら、SpeakingとWritingのトレーニングを別途積む必要がある。TOEICスコアは「出発点の確認」には使えるが、TOEFL・IELTSの代替にはならない。キャリアアップを目的にTOEICを活用する30代の場合は30代社会人のTOEICスコアアップ戦略でビジネスへの活用方法も確認できる。

目的が決まっていれば試験の選択に迷う必要はない。就職・昇進ならTOEIC、英語圏への学術留学ならTOEFL(米国)またはIELTS(英連邦)、移住申請ならIELTSが基本の判断軸だ。

TOEICを選んだ後の学習計画・スコア目標の設計についてはTOEIC勉強法完全ガイドが参考になります。600点・730点・800点別のロードマップを整理しています。

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編集部の見解

「TOEICで高スコアを取れば留学に使えるはず」という認識のまま試験を選んでしまう学習者を複数見てきた。TOEICはビジネス英語の読解・聴解に特化した試験であり、大学院留学に必要なSpeakingとAcademic Writingの能力とは別物だ。目的が留学であれば、TOEICスコアを積み上げながらも、早い段階からTOEFL・IELTSの形式に触れておくことが時間の節約になる。

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