
TOEIC には Speaking & Writing(SW)テストが存在するが、日本国内で受験した経験がある人は少ない。IIBC の公開データによれば、L&R テストの年間受験者数が約 240 万人(2022 年度)なのに対し、SW テストの受験者数は数万人規模にとどまる。認知度の低さゆえ「受けるべきかどうか分からない」という状態が続いている試験だ。この記事では SW テスト単体の仕組み・スコアの読み方・受験が有効な人の条件を整理する。

SW テストの構成とスコア体系
TOEIC Speaking & Writing テストは Speaking と Writing の 2 セクションで構成される。各セクションは独立しており、どちらか一方だけ受験することも、両方セットで受験することもできる(受験料はセットと個別で異なる)。
| セクション | 設問数・所要時間 | スコア範囲 | 主な問題タイプ |
|---|---|---|---|
| Speaking | 11 問・約 20 分 | 0〜200 点 | 音読 / 写真描写 / 応答 / 意見陳述 |
| Writing | 8 問・約 60 分 | 0〜200 点 | 写真描写 / メール作成 / 意見記述 |
スコアは Speaking・Writing それぞれ 0〜200 点で報告される。L&R の 10〜990 点スケールとは別物であることに注意が必要だ。スコアは単純な正誤ではなく、発音・流暢さ・文法・内容の適切さなど複数の評価軸を AIと人間の採点者が組み合わせて判定する(ETS 公式仕様)。
L&R テストとの根本的な違い
L&R テストは「聞く・読む」の受信技能をマークシートで測定する。SW テストは「話す・書く」の発信技能をマイク・キーボードで測定する。この違いは単なる回答形式の差ではなく、評価される能力そのものが異なる。
L&R と SW の評価軸の違い
L&R は「理解できるか」を測る。SW は「発信できるか」を測る。800 点の L&R スコアがあっても、Speaking セクションで流暢に話せない受験者は珍しくない。逆に言えば、SW テストで高スコアを取ることは「英語でのアウトプット力を客観的に証明できる」という独自の価値がある。
両テストの詳細な比較と受験順序についてはTOEIC L&R vs SW の徹底比較で解説している。

SW テストのスコアを「証明書」として使える場面
SW テストのスコアが実際に機能するのは、英語でのアウトプットが業務要件になっている場面だ。具体的には次の 3 つが代表的だ。
- 外資系企業・グローバル展開企業への就職・転職: 会議・プレゼン・メール対応が日常業務に含まれる職種では、Speaking スコアを履歴書に記載することで L&R スコアだけでは示せない発信力を証明できる。SW スコアを採用要件に明示している企業は外資系とグローバル展開企業に集中している。
- 海外赴任候補の社内選考: 現地スタッフや取引先との英語コミュニケーションが必要な役職への選考で、Speaking スコアが参考資料として提出を求められるケースがある。
- 社会人向け MBA・大学院の語学証明: 一部の国内 MBA プログラムおよびアジア圏の大学院では SW スコアの提出を認めている。ただし米国・英国の主要大学院は TOEFL/IELTS を指定するため、そちらが必要な場合は別途受験が必要だ。

SW テストを「今は受けない」方がよいケース
日本国内の採用・昇給要件のほとんどは依然として L&R スコアで評価される。L&R が 700 点未満であれば、SW テストより L&R の対策を優先する方が費用対効果は高い。
SW テストの受験を検討するタイミングは次の条件が揃ったときだ。
- L&R で目標スコア(700〜800 点以上)を達成済みである
- 英語での発信力の証明が具体的な場面(転職活動・社内選考・MBA 出願など)で必要になった
- Speaking または Writing の準備に十分な練習時間を確保できる
「とりあえず受けてみる」だけでは費用と準備時間が無駄になりやすい。目的が明確な段階で受験することをすすめる。スコアがキャリアに与える影響の全体像はTOEICスコアと日本のキャリアでも整理している。

受験会場と申込みの特徴
TOEIC SW テストは全国の認定テストセンターで実施される。L&R の公開試験のように特定の日曜日に集中しているわけではなく、センターの空き状況に応じて受験日を選べる点が特徴だ。ただし対応会場が都市部に集中しており、地方では選択肢が限られる場合がある。受験申込みや会場の詳細は IIBC 公式サイト(toeic.or.jp)で確認することをすすめる。
TOEIC SW も含めた英語力向上の全体戦略については、TOEIC勉強法完全ガイドでも解説している。
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