
厚生労働省の調査によると、令和3年3月に卒業した大卒就職者のうち、就職後3年以内に離職した人の割合は34.9%(前年度比+2.6ポイント)。翌年の令和4年3月卒では33.8%(前年度比-1.1ポイント)とやや低下したものの、大卒者のおよそ3人に1人が3年以内に離職している状況は変わっていない。第二新卒・既卒の転職市場は、決して小さな例外ではなく、一定の規模を持つ層として存在している。
第二新卒と既卒、何が違うのか
第二新卒とは、一般的に新卒で入社してから3年未満で転職活動を行う若手を指す。4年制大学卒であれば25歳前後、高卒であれば20歳前後が目安になる。一方、既卒は学校を卒業した時点で就職せず、その後に就職活動を行う人を指す。厚生労働省が示す「青少年雇用機会確保指針」では、卒業後3年以内の既卒者を新卒枠に準じて扱うよう企業に求めている。
採用側の評価軸にも違いがある。第二新卒は「社会人としての基礎的なビジネスマナーが身についている」という前提で見られやすいのに対し、既卒は就業経験の有無にかかわらず「ポテンシャル採用」の枠で評価されることが多い。TOEICスコアの使われ方も、この評価軸の違いを反映する。

転職市場全体では700点以上の求人が最多(32.7%)
JAC Recruitmentが公開する求人データ(2026年3月17日時点の自社保有求人分析)によると、TOEICスコアが応募要件に設定されている求人のうち、最も多いスコア帯は700点以上で全体の32.7%を占める。
| 要件スコア帯 | 求人の割合 |
|---|---|
| 600点未満 | 16.5% |
| 600点以上 | 31.1% |
| 700点以上(最多) | 32.7% |
| 800点以上 | 19.6% |
| 900点以上 | 0.1% |
(出所: JAC Recruitment公式サイト、自社求人データ2026年3月17日時点)
ただしこのデータは転職市場全体の集計であり、第二新卒・既卒に絞った公式な内訳は公開されていない。年代別に「20代」「30代」という区分は一般的だが、「第二新卒枠」「既卒枠」という単位でのスコア統計は、少なくとも今回確認した公開資料の範囲では存在しない。

実務経験が浅いからこそ、スコアの意味が変わる
中堅・ベテラン層の転職では、TOEICスコアは実務での英語使用歴を裏付ける一材料に過ぎない。しかし実務経験が浅い第二新卒・既卒では、示せる実績そのものが少ない分、スコアが相対的に大きな比重を占めやすい。転職市場全体で最多の700点以上という水準は、実務経験の薄さを補う一つの目安として意識しておく価値がある。600点未満の求人が16.5%ある一方で、900点以上を要件にする求人はわずか0.1%にとどまる点も踏まえると、無理に満点を目指すより、まず700点台に到達することの方が費用対効果は高い。

一般的な転職市場のスコア基準は転職に必要なTOEICスコア、業界別の目安は業界別TOEICスコアの目安で扱っている。新卒就活時点でのスコア戦略は大学生の就活とTOEICを参照してほしい。まずはリスニング模試・リーディング模試の両方で現在地を確認し、700点までの距離をつかむところから始めるのが実践的だ。スコア設計全体の考え方はTOEICスコア別ロードマップにまとめている。
関連記事
試験対策
【大学生向け】TOEIC何点で就活有利?業界別スコア目安
TOEIC就活で差をつけるには業界別スコア目安の把握が先決。IIBCデータの学生平均と商社・メーカー・金融の新卒採用目安・ES記載戦略・600点台から700点台へのスコアアップポイントを解説する。
攻略のコツ
TOEIC 転職で何点必要か — 業界・職種別の実態と「足切りライン」の現実
TOEIC転職スコア要件を業界別に解説。外資系は730〜800点、総合商社は730点、IT・メーカーのグローバル枠は600〜730点が相場。スコアは書類通過の条件であり採用決定要因ではない現実と、面接での補い方を整理する。
勉強法
TOEIC スコア別ロードマップ|600/730/800/900点
TOEIC 600〜900点を目指す全スコア帯に対応したロードマップ。IIBC統計データをもとに、各目標スコアの必要学習時間・Part別優先度・停滞期打開策・模試サイクルを体系化したピラーガイド。
スコアアップ
TOEIC2回目受験は何点伸びる?公式データ検証
IIBC公式データ集「DATA & ANALYSIS 2025」の受験回数別スコアを検証。大学生は1回目442点→2回目465点で+23点、高校生は416点→457点で+41点。回数を重ねるほど伸びる集団と縮む集団の違いも解説する。