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試験対策

TOEIC 看護師・医療職向け学習法 — 医療英語との違い

「cardiac / respiratory / diagnosis — 医療用語は得意なのに、TOEICは600点台で止まっている」。これは珍しいケースではない。医療英語とビジネス英語は、語彙の由来こそ重なる部分があっても、試験で測られる運用力はまったく別物だ。看護師・薬剤師・臨床工学技士など医療系職種の方がTOEICを受験するきっかけとして多いのは、外資系医療機器メーカーへの転職、海外の学会や研修への参加、病院が設ける英語力の評価基準——この3つだ。どの目的でも、まず「TOEICは臨床英語を問わない試験だ」という前提を固めることが最短経路になる。

聴診器とカルテが置かれた医療現場のイメージ
臨床の専門用語はTOEICにほぼ登場しない。試験が問うのは予約・通知・会議といったビジネス英語だ

医療英語とTOEICが問う英語 — 具体的に何が違うか

医療の現場で使われる専門用語(診断名・薬品名・解剖学用語など)はTOEICにはほぼ登場しない。TOEICに登場する「医療関連」の場面は、臨床ではなくビジネスの文脈に限られる。

TOEICに登場する医療関連場面 具体例 使われるパート
病院・クリニックの受付・予約 診察の予約確認メール、待ち時間の案内 Part3・7
健康保険・福利厚生の通知 企業から従業員への健康診断案内、保険プランの変更通知 Part6・7
製薬・医療機器のビジネス場面 営業担当が医療機器の説明をするショートトーク(Part4) Part4

「専門用語を知っているので読めると思ったが、ビジネス文書は慣れない表現ばかり」という経験は多くの医療従事者に共通する。TOEICに出てくる医療関連の場面はあくまでビジネスの文脈(予約・保険・企業向け案内)であり、臨床現場の専門用語とは切り離されている。この認識を持った上で「一般的なビジネス英語」として取り組むことが、遠回りに見えて最短の道だ。TOEICに登場する文書タイプ(メール・通知・広告・記事)の構造を把握するにはPart7文書タイプ別の読み方があわせて参考になる。

TOEICに出る医療関連の場面は、臨床ではなく「予約・案内」というビジネス文脈だ。クリニックの予約メールを題材にした一問で、その距離感を確認しておこう。

例題

Please call our front desk at least 24 hours in advance if you need to ______ your appointment with Dr. Tanaka.

  1. prescribe
  2. diagnose
  3. reschedule
  4. recover
解答・解説を見る

正解: (C) reschedule

appointment(予約)を目的語にとり、「予約を変更する」という文意に合うのは reschedule。(A) prescribe(処方する)、(B) diagnose(診断する)は臨床の専門動詞で、ここでは文意に合わない。(D) recover(回復する)は自動詞中心で目的語の appointment と結びつかない。医療従事者が知っている専門用語が選択肢に並んでも、正解は「予約を変更する」という一般ビジネス語彙の reschedule になる。この「臨床用語ではなくビジネス語彙が問われる」感覚をつかむことが、医療職のTOEIC対策の出発点だ。

場面別のスコア目安

広告文やパンフレットを検討するビジネスシーンのイメージ
外資系医療機器メーカーへの転職と学術学会への参加では、求められるスコアの水準がまったく異なる
  • 外資系医療機器・製薬メーカーへの転職 — 600〜730点台が一つの目安として設けられることが多い。営業職・サポート職なら730点台以上が競争力のある水準になりやすい。
  • 海外の学術学会での発表・参加 — TOEICよりも実際のライティング・スピーキング力が問われる場面だが、730点以上のリーディング力があると英語論文の読解・要約に役立つ。
  • 海外留学・海外研修への参加 — 学術系の留学では TOEFL・IELTS が求められることが多い。ただし病院付属の研修プログラムや語学研修では TOEIC を参考にするケースもある。
  • 病院・医療機関が設ける英語要件 — 外資系病院や国際的な認証を持つ医療機関では英語力の基準を設ける場合があるが、基準は施設ごとに異なる。

医療従事者が優先すべき学習パート

医療系職種でTOEICに取り組む場合、仕事の性質から「読む・聞く」の比重が重い。優先パートの考え方は以下だ。

  1. Part7(長文読解) — 英語の医療・製薬関連文書(製品説明・ガイドライン・通知)を読む力は、Part7の文書読解訓練と直接連動する。特に「複数文書問題(ダブル・トリプルパッセージ)」の情報統合は、複数のデータを照合する医療現場の思考と重なる部分がある。
  2. Part3・4(リスニング) — 海外の学会セッションや、外国人の医師・研究者との会話を想定するなら、Part3・4のリスニング速度を上げることが優先になる。シフト勤務の移動・準備時間にPart4形式の音声を流す「聴く学習」は、まとまった学習時間が取れない日でも耳が慣れていくため、模試の設問先読みと組み合わせるとリスニングスコアの底上げにつながりやすい。
  3. Part5・6(文法・語彙) — 英語での報告書・サマリー作成を行う場合は、文法の正確さが土台になる。Part5の品詞問題・時制問題で基礎を固める。

医療英語の知識をTOEIC学習に転用する

英語の語根・語彙を書いた手書きノートのイメージ
ラテン・ギリシャ語由来の語根への親しみは、TOEICのビジネス語彙の推測に直接使える
医療従事者が持つ知識をTOEICに転用できるポイント
  • ラテン語・ギリシャ語由来の語根への親しみ — 医療従事者は「cardiac / respiratory / diagnosis」といったラテン・ギリシャ由来語に慣れている。TOEICでも同じ語根を持つビジネス語彙(「prescription」→「prescribe」「description」など)が登場し、語根から意味を推測する力が役立つ。
  • 手順・プロセスを追う読解力 — 医療現場の手順書・プロトコルを読む習慣は、Part7の「手順を説明するビジネス文書」の読解に応用できる。
  • 情報を正確に読み取る姿勢 — 患者情報を正確に把握する業務習慣は、Part7の「具体的な数値・日付・条件を問う設問」への対処に生きる。
ヘッドフォンをつけて学習する様子
Part4形式の音声を移動中に流し続けることが、シフト勤務の医療従事者にとって最も継続しやすいリスニング対策だ

TOEICの語彙は医療専門用語とは別系統だが、Scordiaの語彙学習ではビジネス場面に頻出する語彙を文脈つきで整理している。Part7の文書形式(メール・通知・報告書)への慣れはPart7文書タイプの解説記事で確認してほしい。学習時間の目安は必要学習時間の目安を参考にスケジュールを組むと、勤務シフト内での計画が立てやすい。外資系医療機器メーカーなどを目指して600点台から730点を目標とする場合、500点→700点の優先施策で取り組む順序を確認しておくと効率的だ。

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