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「TOEICは意味ない」は本当か?職種間172点差の実態

執筆: Scordia編集部|運営・確認: 佐野 修斗

「TOEIC 意味ない」と検索すると、知恵袋やSNSの体験談が上位を埋め尽くす。「スコアが高くても話せない」「転職の面接で聞かれたことがない」という声は確かに多い。ただしそのほとんどは個人の感想であり、数字による検証を経ていない。IIBCが2025年11月に公開した最新データ集「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2025」には、この議論に決着をつけるヒントになる職種別・経験別のスコア分布が収録されている。

職種によって平均スコアは172点も違う

IIBC公式データの「公開テスト 社会人データ」(2024年度、312,258人分)には、職種別の平均スコアが公開されている。最も高いのは「海外」業務担当者の724点、最も低いのは「製造」の552点。その差は172点にのぼる。

職種平均スコア受験者数
海外724点7,669人
教育708点17,175人
法務701点5,304人
財務691点2,842人
経営678点9,667人
営業623点44,950人
技術589点48,164人
製造552点8,907人

(出所: IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2025」公開テスト社会人データ、2024年度実受験者)

外資系企業の面接シーンのイメージ
海外担当者の平均スコアは724点。英語を実務で使う職種ほど数字が積み上がっている

海外滞在経験があると平均が248点上がる

同じ資料のIPテスト企業・団体データ(V-5. 海外滞在経験・期間別受験者数と平均スコア)には、さらに踏み込んだ数字がある。「海外滞在経験なし」の受験者(243,631人)の平均は498点。対して「2年より多く」滞在経験がある受験者(13,028人)の平均は746点。248点の差がついている。

この2つの数字が示すのは「TOEICのスコアが高いから英語ができる」という単純な話ではない。海外業務や海外滞在という「英語を使う環境に身を置いてきたかどうか」が先にあり、スコアはその結果として後からついてくるという順序だ。

成長グラフとPCを前に検討するビジネスパーソンのイメージ
海外滞在経験なしの平均498点に対し、2年超の滞在経験者は746点。差は248点に及ぶ

「意味ない」と感じやすい層はどこにいるか

同資料の「社会人/学生別受験者数と平均スコア」を見ると、学生の平均は592点、社会人は644点。学生のうち、留学・インターン・海外業務のように英語を使う環境にまだ触れていない層ほど、スコアと実生活の実感が結びつきにくく「意味がない」と感じやすい構造がある。

逆に言えば、海外業務や教育・法務・財務のように英語文書の読解や折衝が日常的に発生する職種では、スコアと業務実態が一致しやすい。「TOEICは意味ない」という主張は、発言者が置かれている職種・環境によって正しくもあり、誤りでもある。一律の結論を出そうとすること自体が、この議論を空回りさせている。

世界地図とパスポートを前に海外就職を検討する人物のイメージ
海外業務や留学という選択肢の有無が、スコアの実務価値を左右する分岐点になる

スコアを「意味あるもの」にする条件

IIBCデータが示す傾向を踏まえると、スコアが実務価値を持ちやすいのは次の条件が揃った場合だ。

  • 海外業務・輸出入・海外拠点とのやり取りなど、英語を使う業務が実際に発生している
  • 教育・法務・財務のように、英語の読解精度がそのまま成果物の質に直結する職種にいる
  • 留学・海外赴任など、6カ月以上の海外滞在経験を積んでいる、あるいはその予定がある

この条件に当てはまらない段階で「TOEICのスコアだけ上げても意味がない」という指摘は、ある意味正しい。転職・キャリアでのスコア基準は転職に必要なTOEICスコア基準で、スコアと年収の関係の詳細はTOEICスコアと年収の相関で扱っている。

まずは自分がどの職種・環境にいるか、これからどこを目指すのかを踏まえてスコアの意味を判断するのが妥当だ。現状のレベルを知りたい場合は無料のレベル診断で目安を確認できる。TOEICの仕組み自体を整理したい場合はTOEICとは?完全解説を参考にしてほしい。

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