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英語で会話するビジネスパーソンを表すヒーロー画像:TOEIC と英会話の違いを表す

攻略のコツ

TOEIC と英会話の違い — スコアが高くても話せない理由と両立の方法

TOEIC 800点を持ちながら「英語の会議で一言も発せなかった」という話は珍しくない。スコアと会話力のギャップは、努力不足でも勉強方法の問題でもない。TOEIC L&R が測定するのはリスニングとリーディングだけで、スピーキングもライティングもスコアに含まれない構造上の理由がある。このギャップを理解した上で、どう両立するかを整理する。

ビジネス英語で向かい合って会話する二人のイメージ
TOEIC のスコアが高くても「話す場面」で止まるのは、測定されていないスキルを訓練していないからだ

TOEIC L&R が測定するもの・しないもの

TOEIC L&R(リスニング・リーディング)は名前の通りの試験だ。リスニング 495点、リーディング 495点の計990点満点。スピーキングとライティングはスコアに一切含まれない。

能力 TOEIC L&R スコアに含まれるか
リスニング(聞いて理解する) 含まれる(495点満点)
リーディング(読んで理解する) 含まれる(495点満点)
スピーキング(話す) 含まれない
ライティング(書く) 含まれない

800点という数字は「英語を聴いて読む力」が相応の水準にあることを示す。しかしその数字は「話す力」について何も述べていない。IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が公表している2023年度の受験者平均スコアは612点。800点は平均を約190点上回る水準だが、それでもスピーキング力の証明にはならない。

受信スキルと発信スキルは別の訓練が必要

マイクとパソコンが並ぶスピーキングテストのイメージ
スピーキングは与えられた英語を処理するのではなく、自ら構築して発話する能力。TOEIC 学習では直接鍛えられない

英語の「聞く・読む」(受信スキル)と「話す・書く」(発信スキル)は、使う能力が根本的に異なる。

観点 受信スキル(聞く・読む) 発信スキル(話す・書く)
処理の方向 与えられた英語を理解する 自分で英語を作り出す
必要な力 語彙・文法の認識力、内容理解 語彙・文法の運用力、即時の組み立て
TOEIC L&R での測定 測定対象(リスニング・リーディング) 測定対象外
主な訓練法 問題演習・多読・リスニング シャドーイング・英会話・英作文

リスニングでは音声が提示されるため、その意味を理解する処理が求められる。スピーキングでは自ら単語を選び、文を組み立て、発音して相手に伝える処理が必要だ。TOEIC の学習で鍛えられるのは受信スキルであり、発信スキルは別の訓練なしには身につかない。

もう一つの要因は、TOEIC リスニングの音声環境だ。試験で流れる英語は明瞭な発音・適度なスピード・ビジネス場面に限定されたトピックというコントロールされた条件下にある。実際の英会話では、相手のアクセント・話すスピード・即興のトピック展開・相槌や割り込みが加わる。TOEIC で高スコアを取った後に「ネイティブの英語が聞き取れない」と感じるのも、この条件差が一因だ。

TOEIC 学習は「話す力」の土台になるか

TOEIC 学習が無駄だったわけではない。問題演習で積み上げた語彙・文法・英語の語順感覚は、スピーキング練習を始めるときに確実に機能する。語彙や文法の基礎がない状態でオンライン英会話を始めると、何を言いたいかは分かっているのに言葉が出ない詰まりが頻繁に起きる。TOEIC で培った基礎は、その詰まりを減らすために働く。

「TOEIC と英会話はどちらかを選ぶもの」という考え方は誤りだ。TOEIC で基礎固め → 英会話で発信力を追加するという順序が効率的であり、対立関係にはない。

2人が対話しているオフィスの一角のイメージ
週2〜3回の短い英会話セッションを TOEIC 学習と並行することで、受信と発信のスキルを同時に伸ばせる

両立のための実践設計

シャドーイングで受信から発信へ橋渡しする

TOEIC のリスニング音声を使ったシャドーイング(音声を真似して発話する練習)は、受信スキルと発信スキルを橋渡しする実践的な方法だ。問題文を読んで意味を理解した上で、音声に合わせて声に出して繰り返す。発音・イントネーション・英語の発話リズムが改善され、「頭では分かるのに口が動かない」状態を解消しやすい。シャドーイング練習の音源選びと手順はTOEICリスニング完全攻略ガイドでまとめて確認できる。Part3・4の会話音声を使ったシャドーイング法はTOEIC Part3+4完全攻略ガイドも参考になる。

オンライン英会話を週2〜3回並行する

スピーキング力は英語を実際に使う機会なしには伸びない。オンライン英会話(週2〜3回・25分)を TOEIC 学習と並行することで、受信スキルと発信スキルを同時に積み上げられる。TOEIC の学習で扱うビジネスシーン(会議・メール・交渉)と近いトピックを英会話でも使うことで、両方の学習が相互に補強される。

発信スキルをスコアで証明したい場合

ビジネス会議室でプレゼンを行うシーンのイメージ
英語の発信力をスコアで示したい場合は TOEIC S&W(Speaking & Writing)が選択肢になる

英語の発信スキルを数値で証明したい場合は、TOEIC S&W(Speaking & Writing)という選択肢がある。TOEIC L&R と S&W の両方のスコアを組み合わせることで、英語4技能の水準を数値で示せる。TOEIC S&W はIIBCが提供する別試験であり、スコアは独立して報告される。

TOEIC L&R と S&W の違いの詳細についてはTOEIC L&R vs S&W 比較で解説している。800点台のスコアが実際のキャリアでどう機能するかはTOEIC 800点を取ったら何が変わるかも参照してほしい。

TOEIC と英会話を効率よく両立するための学習計画全般については、TOEIC勉強法完全ガイドでも体系的に解説している。

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