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開いた本のページを表すヒーロー画像:リーディングの精読と速読を表す

攻略のコツ

TOEIC リーディング速読の練習法 — 速く読む前に「正確に読む」を先にやる理由

TOEIC リーディングセクション(75分・100問)で時間切れになる受験者の中に、「速読トレーニングを始めれば解決できる」と考えてしまうケースが目立つ。だが語彙・構文の基礎が固まる前に速読を優先しても、スコアはほぼ動かない。速読力は精読力の上に乗るスキルであって、その逆ではないからだ。

英文の書類を読み込む手元のアップ
長文を読む速度を上げるには、まず1文を確実に取れる精読力が土台になる

「時間が足りない」の正体を分解する

リーディングセクションが時間切れになる原因は「読むのが遅い」の一点ではない。実際に多いのは次の4パターンだ。

  • 単語の意味が出てこず立ち止まる(語彙不足)
  • 文構造が取れず同じ文を何度も読む(構文理解の不足)
  • 設問を先に読まず文書全体を最初から読む(スキャニングの欠如)
  • 後半になるにつれ集中力が落ちてくる(疲労による処理速度の低下)

このうち「読む速度そのものが問題」なのは、語彙・文法の基礎が固まった700点前後以上の受験者に限られる。500〜650点帯では上の4要因のどれかが主因であることが多く、速読練習を先行させると焦りばかり増えてスコアが下がる可能性すらある。

まず「自分はどのパターンで時間を使っているか」を直近の模試や公式問題集の演習結果で確認することが先決だ。

精読力とは何か、なぜ先に必要なのか

速読は「正確に読める英文を早く処理する技術」だ。意味が取れていない英文を目だけ速く動かしても内容は入らない。英語学習研究でよく参照される多読(extensive reading)の前提条件も「知らない語彙が5〜10%以下の英文を選ぶ」だ。90%以上理解できる文章を大量に読むことで読速が上がる、という考え方であり、理解できない文を速く流すものではない。

精読力とは「1文を正確に取る力」——主語・述語・修飾関係を正しく捉えながら前から意味を処理できる状態を指す。この土台がないまま速読に進むと、理解精度が下がって正答率が落ち、結局は読み返しが増えて逆に遅くなる。

英語テキストを読みながらノートに書き込む学習者
精読では「設問に答えるためだけに読む」から「文構造ごと理解する」モードへ切り替える

精読力を上げる2つの実践法

公式問題集 Part 7 の全文精読

解答後の復習フェーズで、Part 7 の英文を辞書・解説を参照しながら全文精読する。設問に関係ない文も飛ばさずに読む。「答え合わせ」の感覚ではなく、「文書を全部理解する」という目的で読み直すと、英文構造の把握スピードが上がりやすい。TOEIC Part7完全攻略ガイドで精読手順と長文攻略のアプローチをあわせて確認できる。

スラッシュリーディング(前から区切りながら読む)

英文を文末まで読んでから和訳する「後戻り読み」の習慣を修正するのに有効なのがスラッシュリーディングだ。意味の区切りごとにスラッシュを入れながら前から処理していく。

例:「The manager / confirmed / that the deadline / had been extended / by two weeks.」

最初はゆっくりでよい。前から順に区切って意味を取る動作を繰り返すことで、英文処理を前からできるようになる。英語の語順で理解できる状態になると、1文あたりにかかる時間が目に見えて短くなる。

以下の例題で実際に「構造を意識しながら読む」感覚を試してほしい。

例題

The shipment that was scheduled for Monday will be ______ until Thursday due to a delay at the port.

  1. postponed
  2. postpone
  3. postponing
  4. postpones
解答・解説を見る

正解: (A) postponed

主語は The shipment で、will be の後ろが空所なので受動態を作る過去分詞が入る。「出荷が木曜まで延期される」という受け身の意味になり (A) postponed が正解。前から「The shipment / that was scheduled for Monday / will be postponed / until Thursday」とスラッシュで区切ると、関係詞節を飛ばして主語と述語の関係を素早く取る練習になる。

700点前後以上:速読練習が有効になる段階

語彙・文法の基礎が固まり「読めば意味は分かるが時間がかかる」という状態になったら、速読の練習が点数に結びつき始める段階だ。

長文を読みながらメモを取る学習者のデスク
長文の処理速度を上げるには、設問を先読みして「どこを探すか」を絞ってから文書を読む順序が効く

多読(理解できる英文を大量に読む)

自分のレベルより少し易しい英文——ビジネス英語のニュース・英字新聞・グレーデッドリーダーなど——を時間を気にせず大量に読む。多読は英文処理のスピードを底上げする効果があるが、スコアへの反映は半年〜1年単位の時間がかかる。「多読をやっている間は伸びが見えにくい」という点は注意が必要だ。短期スコアアップの主軸にはならない。

Part 7 の時間計測演習

公式問題集の Part 7 セット(1文書・2文書・3文書)を問題セットごとに時間を計って解く。1文書問題2〜3問セットなら目安2〜3分、3文書問題5問セットなら7〜8分以内を目標に設定してタイムプレッシャーをかける。設問を先に読んで「何を探すか」を絞ってから文書を読む手順(先読み誘導)を意識すると、読む量自体が減ってタイムロスが改善されることが多い。

時間配分の詳細はTOEIC リーディング時間配分戦略で解説している。スキミングとスキャニングの使い分けはTOEIC Part7 スキミング vs スキャニングも参照してほしい。

ストップウォッチと答案用紙が並ぶ試験準備の机
時間計測演習は「解ける速度」より「どのセットで時間を使っているか」の把握を目的に始める

Part 6 の文書読解で文脈把握力を底上げする方法はTOEIC Part6 文脈読解テクニックでも参考になる。Reading セクション全体の戦略はリーディング完全攻略ガイドでまとめて確認できる。

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